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【国土交通省が注意喚起】カーフィルム施工車の入庫拒否や剥離指示について(2026年3月13日)

【国土交通省が注意喚起】カーフィルム施工車の入庫拒否や剥離指示について(2026年3月13日)
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令和5年1月13日 通達 令和8年3月13日 通達

「フィルムを貼ったままで車検に通りますか?」「業者にフィルムを剥がすよう言われたけど本当に必要?」——そんな疑問を解決するため、国土交通省は2本の重要通達を発出しました。本記事ではその内容を徹底解説し、整備事業者・ユーザー双方の疑問にお答えします。

2つの通達とは?

CIRCULAR 01
令和5年1月13日
国土交通省 自動車局
フィルム施工車の審査基準の統一化。全国の運輸支局でバラバラだった判断基準を統一し、「測定器なし=民間車検不可・支局持込」を明確化。
CIRCULAR 02
令和8年3月13日
国土交通省 自動車局
①のフォローアップ通達。「測定なしで剥離指示」「測定器の誤使用」など現場での問題を受け、正しい運用とユーザー保護を改めて周知。

通達が出された背景

〜令和4年頃まで
フィルム施工車の車検判断が地域・事業者によってバラバラ。同じ車でも通る/通らないが混在し、ユーザーや整備事業者の間に混乱が生じていた。
令和5年1月13日
【第1通達】全国統一基準を発出。可視光線透過率70%未満は不合格・測定器がなければ民間検査不可・運輸支局へ現車持込を明確化。
令和8年3月13日
【第2通達】①から3年後、現場での問題(測定なしで剥離指示・測定器の誤使用)を受け、ユーザー保護と正しい運用を改めて通知。

車検の判断基準:透過率70%ルール

フロントガラス・運転席側面・助手席側面の3箇所のガラスは、可視光線透過率70%以上が保安基準の条件です(道路運送車両法 保安基準第29条)。

フィルムを施工すると透過率が下がるため、施工後の透過率が70%以上かどうかが合否の分かれ目になります。
70%以上
保安基準適合
そのまま車検OK
⚠️
70%前後
要精密計測
支局持込推奨
70%未満
保安基準不適合
フィルム剥離が必要

最重要ポイント:測定できない場合は支局持込

⚠️ 通達の根幹ルール

第1通達(令和5年)の最も重要な点は、「適切な測定器がない場合、民間の指定・認証工場では車検の合否を判断してはならない」と明確に定めたことです。

📋 正式な対応フロー(通達に基づく)
1
フィルム施工車が入庫 → まず可視光線透過率測定器で計測を試みる
2
測定器がない・判断できない場合 → 運輸支局または軽自動車検査協会へ現車持込で計測・判断を依頼
3
支局での計測結果を受けて正式に合否判定 → その結果に基づき対応

根拠:道路運送車両法 第94条の5(指定自動車整備事業者の義務)

絶対にやってはいけないNG行為

🚫
測定器なしで「たぶん大丈夫」と目視のみで合格判定
透過率は肉眼では判断不可。根拠なき判断は道路運送車両法違反。
🚫
測定なしで「フィルムを剥がしてください」と指示する
数値の根拠なく剥離を強要することは第2通達で明確に禁止。
🚫
測定器の校正(キャリブレーション)を怠って計測する
未校正の測定器は数値が信頼できず、誤判断の原因になる。
🚫
ボーダーライン付近で「なんとなくアウト」と断定する
69〜72%付近は複数回計測・支局持込で正確に判断すること。

整備事業者向け Q&A

【入庫時】フィルム施工車を受け付けるとき

Q1 フィルムが貼られた車が入庫してきた。まず何を確認すべきですか?

A. 以下のチェックリストで確認してください。

☑️ フィルムが貼られているガラスの特定(フロント・運転席・助手席側面かどうか)
☑️ 自社に可視光線透過率測定器があるか確認
☑️ 測定器がない場合、お客様に「支局持込が必要になる可能性」を事前説明
☑️ 計測・記録用のワークシートを準備
Q2 お客様に「車検は大丈夫ですか?」と聞かれたらどう答えますか?

A. 「測定してみないとわかりません」が正しい回答です。フィルムの色・濃さで判断することはできません。測定器で計測した数値が70%以上であれば適合、70%未満であれば不適合となります。

Q3 測定器がない場合、入庫を断るべきですか?

A. 断る必要はありません。ただし「測定なしで合否判定を行うことは通達で禁止」されています。お客様に「計測が必要なため、フィルム部分の確認は管轄の運輸支局(または軽自協)への現車持込で対応します」と丁寧に説明したうえで、支局への持込案内をしてください。

【作業時】計測・判断・対応の流れ

Q4 測定前に必ず行うべきことは何ですか?

A. 測定器の校正(キャリブレーション)が必須です。未校正の機器は測定値の信頼性が担保されず、第2通達でも問題点として挙げられています。計測結果は数値・日時・場所・担当者を記録に残してください。

Q5 測定できない・ボーダーラインで判断できない場合はどうすればよいですか?

A. 運輸支局または軽自動車検査協会へ現車持込が通達に基づく正式対応です。

🔹 測定器がない → 支局持込
🔹 測定したが断定できない(69〜72%付近) → 複数回計測 → それでも判断困難 → 支局持込
🔹 「なんとなくアウト」だけでの剥離指示は不可
Q6 計測の結果「70%未満(不適合)」だった場合、どのようにお客様に説明しますか?

A. 次の手順で説明してください。

STEP 1:計測数値を明示(「○○%でした」と数字を提示)
STEP 2:保安基準(70%以上)を根拠に不適合であることを説明
STEP 3:選択肢を提示(フィルム剥離 or 車検対応フィルムへの交換 or 支局で再計測)
STEP 4:お客様の意思確認・同意を得たうえで作業
Q7 「フィルムを剥がしたくない」と言われたら?

A. 民間の指定・認証工場では保安基準不適合車を合格にすることはできません。「不適合のまま車検証を発行することは法律上不可能」であることを丁寧に説明してください。どうしても現状を維持したい場合は、車検対応フィルム(十分な透過率が確保できるもの)への貼り替えか、フィルムの剥離以外に選択肢はありません。

Q8 記録として残すべき項目は何ですか?

A. トラブル防止・法的根拠として以下を記録することを推奨します。

📝 計測日時・計測者
📝 使用した測定器の機種名・校正状態
📝 計測箇所(フロント・運転席・助手席)と計測値(各数値)
📝 計測結果を説明した旨・お客様の同意内容
📝 支局持込案内をした場合はその旨

【カーオーナー向け】よくある疑問

Q フィルムを貼ったまま車検に出せますか?

A. 透過率が70%以上であれば問題ありません。ただし、施工後の透過率が基準値を下回っている場合は不適合となります。不安な場合は車検前に施工店や整備工場で計測してもらうことをおすすめします。

Q 測定なしで「剥がしてください」と言われましたが……

A. 令和8年の通達では「計測なしでの剥離指示」は問題行為として明記されています。「測定値を教えてください」と確認することが大切です。数値の根拠なく剥離を求められた場合は、管轄の運輸支局に相談することも可能です。

Q リアガラスや後部座席側面のフィルムは車検に影響しますか?

A. 保安基準の透過率規制(70%以上)はフロントガラス・運転席側面・助手席側面の3箇所のみが対象です。リアガラスや後部座席側面は規制対象外のため、濃いフィルムを施工しても車検には影響しません。

まとめ:2つの通達が示すこと

KEY POINTS
1
フロント3面のガラスは可視光線透過率70%以上が保安基準(フィルム施工後も同様)
2
測定器がない場合は支局持込が通達に基づく正式対応(民間での判定は不可)
3
測定なしでの剥離指示は禁止——必ず数値根拠を持ってお客様に説明する
4
測定は校正済み機器で行い、数値・日時・担当者を記録として残す
5
リアガラス・後部座席側面は透過率規制の対象外
ウィンドウフィルムと車検の問題は「知らなかった」では済まされない法的な問題です。整備事業者はもちろん、カーオーナーの皆様もこの2つの通達の内容を把握しておくことが大切です。

フィルム施工・車検対応についてご不明な点は、お気軽にNext Visionへご相談ください。